グレートな英雄
   
   
2003/04/02
   
   
野球の米大リーグが開幕しました。
ヤンキースの松井選手が初打席初ヒット初打点という鮮烈な
デビューを飾り、大きな注目と拍手を集めました。

が、
もう一人大変な偉業を成し遂げた選手がいます。
ロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄投手。
日本時間4月1日に行われた開幕戦で、見事完封勝利を収め
たのです。
ホントすごい!
相手は2年前のワールドチャンピオン、ダイヤモンドバック
ス。投げ合うは、現在メジャーNo.1左腕のR・ジョンソン
(なんと年俸も投手史上最高、2年で40億円!)。
開幕投手になることだけでもスゴイのに、こんなスゴイ相手
を向こうに回して、堂々と完封で投げ勝ってしまったのです
から、も〜スゴイ!としか言いようがない。

でも、野茂投手が本当にスゴイと思うのは、あの姿勢、生き
ざまなんです。

野茂投手って、いつも淡々としているでしょ?
勝っても負けても、インタビューの映像を見ると、いつもほ
とんど変わらず淡々と答えていますよね。
あの厳しい世界で常にトップを走り続けている選手ですか
ら、きっとものすごく熱いものを持っていると思いますし、
勝てばうれしい、負けたら悔しいというのは当然あると思い
ます。
でも、それを外に出さない。出ない。

それは多分、彼が自分を客観的に見る視点を持っているから
だと思います。
僕は、感情はとても大切なものだと思うし、感情を抑えるこ
とがいいとは思いません。
ただ、感情を感じ味わうことと、それに振り回されることと
は違う。振り回されると自分もまわりも大変、っていうこと
が多いんじゃないでしょうか。
振り回されないためには、“自分を客観的に見る視点”が大
切。一方では感情を味わい、一方ではそれを客観的に見つめ
る自分・・・なんとも美しいバランスだと思います。
野茂投手は、そのバランスがとてもうまくとれている。多
分、無理に感情を押さえ込んでいるのとは違うんじゃないか
と思います。ストレスも少ないんじゃないかな。見習いたい
ところです。

そして、その生きざま自体が偉業だなと思うのは、彼が“常
に開拓者”だというところです。
近鉄に入団した時、その“変則的なフォーム”を直されそう
になりましたが、彼はそれを拒否、自分のスタイルを貫きま
した。今、その“変則的なフォーム”は、“トルネード投
法”としてすっかり定評を得ています。それも本場アメリカ
で。
また、今やたくさんの日本人メジャーリーガーが誕生し、活
躍もしていますが、何と言っても、この道を切り開いたのは
野茂投手です。
道をつくることと、できた道を歩くことには、天地の差があ
る。彼の場合も、最初に海を渡る時、「無理だ」「無謀だ」
とのそしりも受けました。しかし、そうした声に彼は言葉で
反論することはせずに、淡々と行動と結果を積み重ね、つい
にはそれを賞賛の声に変えてしまった。
そのエネルギーとスピリットには心から拍手を贈りたいと思
います。

メジャーリーガーになって9年目の野茂投手ですが、ずっと
順風満帆だったわけではありません。
途中の数年はトレードが続き、球団から球団へと渡り歩きま
した。一時はマイナーリーグに落ちたこともありました。
でも、そんな時でも野茂投手は淡々と行動と結果を積み重ね
た。きっと心中穏やかではなかったでしょう。でも、悔し
さ、歯がゆさを感じながらも、それを客観的に見る視点も失
わなかった(多分ね)。
彼は、そうした“不遇の時”も、自らの道の開拓者であり続
けたわけです。しかも淡々と。

こうした彼の生きざまから、僕はたくさんの示唆や気づきや
気概をもらいます。あなたはどうでしょうか?
自らの道を淡々とつくり続け、多くの人に感動を与え続け
る・・・彼はまさしくグレートなヒーロー(英雄)ですね。

   
   
   
   
Copyright : Ryo Takashima