他力の強さ
   
   
2003/04/06
   
   
TBS系のドキュメンタリー番組『情熱大陸』を見ました。
(僕は、ドキュメンタリーが大好きなんです)

今日は、五木寛之さんでした。

圧倒され、魅せられました。
五木さんは今70歳だそうです。信じられない。ものすごい
バイタリティーなんです。一分一秒の無駄なく、次から次へ
と仕事を仕上げていきます。昼も夜もない仕事ぶり。年は僕
の倍なのに、仕事量は軽く10倍以上、とお見受けしました
(比べること自体が失礼ですね。笑)。

五木さんは30歳で作家デビュー。以来40年、出版された
本は200冊以上。「五木が書けば、売れる」と言われ続
け、その累計販売部数はなんと1億冊以上とのこと。
この間、1日も休むことなく書き続けてきている。日数にし
て15000日。

この継続力にはただ驚くばかりです。3日坊主の僕には、別
世界の話。
しかも、その仕事はただ原稿を書くだけではない。本の装丁
や帯の文句、果ては紙の質やサイン会などのプロモーション
まで事細かに関わる。「本を読者に渡すまでが、作家の責任
なんです」とこともなげにおっしゃる。
本以外にも、エッセイ執筆(24年間夕刊紙に連続連載のも
ある!)、各種インタビュー、講演、ラジオ出演、外国の歌
の訳詞、演歌の作詞、演歌番組の演出、芝居・演劇の脚本、
演出・・・わわわ、こちらの目がまわるぅ〜〜。

これだけの仕事量なのに、五木さんは淡々とこなしていきま
す。無駄のない動き、その中に見て取れる研ぎ澄まされた集
中力。

この継続力と多彩さと集中力、その秘密はどこにあるのでし
ょう?

「僕は他力主義者だから・・・」と五木さんは語ります。
「次は何を書くか?ではなく、次は何を書かせてもらえる
か?なんですよ」、「『人事を尽くして天命を待つ』って言
うでしょ?僕はあれ、あまり好きじゃないんです。そうじゃ
なくて『人事を尽くさんとするも天命なり』、よしやるぞっ
て決心すること自体が天の計らい。そう思うんです」。

この言葉は本物だと思いました。
それは、あのクレイジーともいえるほどの量の仕事をしてい
る五木さんが、常に淡々と穏やかで、相手に対して丁寧に接
していたから。誰に対しても、仕事の大小にかかわらず(本
来仕事に大小はない!?)、気さくに物腰で話しかけている
んですね。しかも、徹夜明けの時でもその調子は一定、変わ
らない。

僕はまだ、五木さんの本は一冊しか読んだことがありませ
ん。確かその本でも、「他力」ということが書かれていたよ
に思うのですが、その真意がわかっていなかったことがわか
りました。

単なる受身ではなく、自分の意志すらも天の意の内とする
「他力」という考え方。だからこそ、やるときには徹底的に
気を込める。しかも、そこに我はない。

「風は吹くまま、この身は吹かれるまま」という五木さんの
言葉が、とても力強いものに感じられました。

   
   
   
   
Copyright : Ryo Takashima