塗香
   
   
2008/05/30
   
   
こんばんは。

最近のお気に入りは、塗香です。

塗るお香と書いて、「ずこう」と読みます。
粉状のお香で、手の平に少し振りかけて、擦ってつける。
すると、ほのかな甘い香りがしてきます。

はじめて塗香に出会ったのは、奈良の唐招提寺でした。
鑑真和上の坐像の御前で写経をする機会があるのですが、そ
の御前へと進む前に、お清めとして、この塗香が施されるの
です。

先日、上田比呂志さんという方とお話していたら、上田さん
が塗香を取り出し、両手にとんとんと振りかけてくれまし
た。

あ、唐招提寺のあれだ。

実は、これが塗香というものであること、塗香と書いて「ず
こう」と読むことは、上田さんに教えていただいたのです。

発祥はインドあたりのようですが、日本古来の文化、たしな
みとして伝わってきているものなのだとか。
お清めやお祓いの意味もあるそうです。

香りは、脳の中でもベースの部分である辺縁系に直接はたら
きかけると言われています。

辺縁系というのは、情動(感情)や記憶を司ると考えられて
いるので、塗香は、気持ちをゆるやかに安定させる効果もあ
るのではないかと思います。

もちろん、塗香に限らず、香水やアロマといったものも、同
様の効果があるのでしょうけど、自分にしっくりくるものを
ちょっと取り入れてみると、毎日がグンと豊かなものになる
んじゃないでしょうか。

   
   
   
   
Copyright : Ryo Takashima