TBS系のドキュメンタリー番組『情熱大陸』を見ました。
(僕は、ドキュメンタリーが大好きなんです)
今日は、五木寛之さんでした。
圧倒され、魅せられました。
五木さんは今70歳だそうです。信じられない。ものすごい
バイタリティーなんです。一分一秒の無駄なく、次から次へ
と仕事を仕上げていきます。昼も夜もない仕事ぶり。年は僕
の倍なのに、仕事量は軽く10倍以上、とお見受けしました
(比べること自体が失礼ですね。笑)。
五木さんは30歳で作家デビュー。以来40年、出版された
本は200冊以上。「五木が書けば、売れる」と言われ続
け、その累計販売部数はなんと1億冊以上とのこと。
この間、1日も休むことなく書き続けてきている。日数にし
て15000日。
この継続力にはただ驚くばかりです。3日坊主の僕には、別
世界の話。
しかも、その仕事はただ原稿を書くだけではない。本の装丁
や帯の文句、果ては紙の質やサイン会などのプロモーション
まで事細かに関わる。「本を読者に渡すまでが、作家の責任
なんです」とこともなげにおっしゃる。
本以外にも、エッセイ執筆(24年間夕刊紙に連続連載のも
ある!)、各種インタビュー、講演、ラジオ出演、外国の歌
の訳詞、演歌の作詞、演歌番組の演出、芝居・演劇の脚本、
演出・・・わわわ、こちらの目がまわるぅ~~。
これだけの仕事量なのに、五木さんは淡々とこなしていきま
す。無駄のない動き、その中に見て取れる研ぎ澄まされた集
中力。
この継続力と多彩さと集中力、その秘密はどこにあるのでし
ょう?
「僕は他力主義者だから・・・」と五木さんは語ります。
「次は何を書くか?ではなく、次は何を書かせてもらえる
か?なんですよ」、「『人事を尽くして天命を待つ』って言
うでしょ?僕はあれ、あまり好きじゃないんです。そうじゃ
なくて『人事を尽くさんとするも天命なり』、よしやるぞっ
て決心すること自体が天の計らい。そう思うんです」。
この言葉は本物だと思いました。
それは、あのクレイジーともいえるほどの量の仕事をしてい
る五木さんが、常に淡々と穏やかで、相手に対して丁寧に接
していたから。誰に対しても、仕事の大小にかかわらず(本
来仕事に大小はない!?)、気さくに物腰で話しかけている
んですね。しかも、徹夜明けの時でもその調子は一定、変わ
らない。
僕はまだ、五木さんの本は一冊しか読んだことがありませ
ん。確かその本でも、「他力」ということが書かれていたよ
に思うのですが、その真意がわかっていなかったことがわか
りました。
単なる受身ではなく、自分の意志すらも天の意の内とする
「他力」という考え方。だからこそ、やるときには徹底的に
気を込める。しかも、そこに我はない。
「風は吹くまま、この身は吹かれるまま」という五木さんの
言葉が、とても力強いものに感じられました。
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