カップヌードル
   
   
2008/04/13
   
   
こんばんは。

今日、カミさんから、おもしろい話を聞きました。

「カップヌードルは、なぜ売れ続けているのか?」

カップヌードルとは、そう、日清食品のカップヌードルのこ
とです。
発売以来、もう40年近くも経つのだそうですが、確かにず
っと売れ続けていますよね。

カップめんはたくさんあれど、これほど長期にわたってメジ
ャーなポジションを維持し続けているものは、他にありませ
ん。

そのカップヌードルの生みの親である、日清食品の社長さん
が、冒頭の問いに答えて話していた、という話をカミさんが
してくれたのです。

その理由、何だと思いますか?

答え(社長さんの言う)は・・・

「特別においしいわけではなかったから」。

正確な言葉かどうかわかりませんが、そういう趣旨だったそ
うです。

特別においしいわけでもなく、かと言ってまずいわけでもな
い。つまり、“普通”だった。
だから、“飽きられない”。

インターネットで調べたら、1971年の発売以来、カップ
ヌードルは、なんと200億食も売れてきていました。

その理由が、「普通だったから」とは。

もちろん、他にもいろいろと理由はあるでしょう。
味やバリエーションやマーケティングなどにも、数え切れな
いほどの工夫と改善と実行の積み重ねがあったと思います。

でも、もっとも大きな理由は、“普通”。

そういえば、カップヌードルにもいろいろな種類があります
が、今もって最もメジャーで、おそらくダントツに売れてい
るのは、最初に出たノーマルタイプ(しょうゆ味?)でしょ
う。

小林正観さんが、本の中で、「主食は無味無臭」という話を
書いていらっしゃいます。

米やパンは、(際立った)味がないからこそ、毎日食べても
飽きない。だから、主食になる。人も同じ。特別にキャラの
立った人でなく、普通の人のまわりにこそ、いろいろな人が
集まる。そして、それが長続きする、という話です。

カップヌードルの話も、同じですね。

そんな話をしながら、テレビをつけると、『サザエさん』を
やっていました。

『サザエさん』も、驚異的な長寿番組です。

考えてみると、『サザエさん』の話というのも、日常のあり
ふれたストーリーばかりです。
劇的な話や奇想天外なストーリーというのは、ありません。

いわば、ごくごく当たり前の“普通”。

だからこそ、日曜夕方の人気番組の地位を、今も不動のもの
とし続けているんじゃないでしょうか。

時代が変わっても、変わらない。そこが、『サザエさん』の
すごいところ。僕が子どもの頃見ていたのと同じように、4
0年近く経った今は、息子が『サザエさん』ファンとなっ
て、毎週喜んで見ています(関係ないですが、そんなすごい
番組のスポンサーを、なぜ、東芝さんは下りてしまうのでし
ょう)。

そういえば、前の時間帯の『ちびまる子ちゃん』も、もうか
なりの長寿番組になりますが、こちらも、日常の普通を描い
た内容ですね。

そして、どちらの番組も、出てくるキャラクターたちが、こ
れまた変わらない。
年すらとらない(声優さんたちも、どうなっているんでしょ
う?)。
長寿番組を超えて、もはや、“不老不死”の領域にまで足を
踏み入れようとしているのでは!?というくらいのすごさで
す。

「究極の、“成長しない”番組」と言ってもいいでしょう。

同じ漫画でも、ストーリーが次々に新しく展開していくも
の、劇的な話が売りになっているもの、スポーツや戦い系の
ものというのは、ここまでは続きません。

“成長もの”には、限界がある。
『北斗の拳』や『ドラゴンボール』には、必ず終わりが来る
のです(大好きなので、続いてほしかったのですが)。

こう見てくると、2、3日前に話した、「成長」の話にも、
またつながっていきます。

“成長すること”には、そのおもしろさがある。
でも、限界も同時にあるかもしれない。

“成長しないこと”には、特別な奇抜さはない。
でも、いつまでも変わらぬ楽しさを与えたり、続いたりする
ことが可能。

カップヌードルも、究極のおいしさを目指していたら、今日
お目にかかることはもうなかったかもしれません。

サザエさんやカツオやタラちゃんにも。
まる子やおじいちゃんやはなわくんにも。

でも、ケンシロウやラオウ、孫悟空やベジータにも、大きな
ワクワクを与えてもらったのも事実です。

つまりは、「成長しても、成長しなくても、それぞれ良
し」。

2日経っても、結論があまり変わらない僕は、やっぱり、成
長していない!?(笑)

夜食に、カップヌードルでも食べようか・・・







   
   
   
   
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